真・の・ブログ

日常的な事、ちょっと考えさせられるような事、まじめな事、不真面目な事、料理の事自転車の事等々等々、音楽の事以外の事を徒然と書き綴っていくつもりです。 が、どうなるかはわかりません。

気仙沼に行ってきた。僕が見た被災地の印象。

気仙沼に行った。
僕はジャーナリストではない。故に、真実を伝えようとは思わない。そもそも、真実を伝えようということ自体ナンセンスなことだ。絶対に伝えることは出来ない。真実は、見たものにしか解らないのだから。

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そこに存在する、廃墟の質量を感じ取ることは、如何に優秀な一眼レフカメラをもってしても出来ない。
がれきの埃と海の薫りが混じった、被災地独特のにおいを、月明かりが不規則に反射する、がれきの被災地の夜の不気味さを、テレビでは伝えることは出来ない。
がれきにはもう絶対に持ち主の手元に戻ることのない、いや、持ち主が生存しているかどうかすら不明な卒業証書や、家族の思い出のアルバム、子供のおもちゃであるミニカーや人形、ゴルフクラブやスケベなDVDのパッケージ。かつての人々の生活の悲喜こもごもが混じりあい、埋まっている。
人々の生活の証や、感情の証が、全てぐちゃぐちゃにミックスされてバラバラに放置されている様は、とても不思議だ。
全ての色を混ぜ合わせると黒になるが如く、喜怒哀楽の全ての感情をミックスすると、そこにあるのは虚無になる。そこには悲しみすらない。
その虚無感は、実際に見たものでないと理解出来ないだろう。
そしてそれを葬り去るには未だ途方もない年月がかかるであろうことを、実感することは難しいだろう。

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最初の被災地入りでは演奏する「お客さん」として訪ねた。数度の被災地入りをして、僕は被災地で演奏する「常連」となった。
被災地で演奏をすること自体はとても楽しい。
しかし、常連として訪れる度に触れる「虚無」は、僕の心をも虚無にする。
それらと日常的に触れなければならない被災地の人々の生活の虚無感たるや想像に難くない。

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僕たちの演奏は、それこそスポンジが水を吸収するが如く、人々の心に我々の音楽が吸収されていく。
長年のプロとしての演奏活動の中でも、こういった経験は皆無に等しい。もしかしたら阪神大震災のときのボランティア演奏のときにもそういった経験をしていたのかもしれない。だが、若かった当時の僕は、そういったものを敏感に感じ取る力に乏しかったのだろう。


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演奏に対してどん欲に受け止めてもらえることは、嬉しさとともに、彼らの虚無の大きさも同時に感じ取ってしまう。
被災地外の人々の多くは、復興に向けて大きく進んでいると思っているのではないか?と思う。
確かに復興は始まってはいる。ところが、始まったことが終点ではないのだ。
復興が始まったことは、復興したことと同義、ではないのだ。
それどころか、ここからが本番なのだ。ここからの戦いこそが、重要なのだ。
そして、それは我々の想像よりも遥かに多くの時間が必要な戦いになる。
そして、多くの人々の助けが必要なのだ。
気仙沼のイオンで演奏した。イオンの中は活気に満ちあふれていた。人々は笑顔で買い物をし、サーティーワンのアイスクリームを食べていた。


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テレビ等で報道されているであろう、そういった活気。
しかし、そのひとたちの笑顔のすぐ横に、途方もない虚無が確実に存在しているのだ。
そのことを、より多くの人々に知ってもらいたいと思った。


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  1. 2011/10/16(日) 17:28:53|
  2. 徒然と
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

虚無感。。。それでも

写真を拝見する限り、7ヶ月経ってもまだまだ復興は始まったばかりという印象を受けました。
虚無感。。。それでも人々は生きている。
虚無感の中にいても、イオンは活気に満ち溢れている。
始まったばかりでも、これから遥かな戦いも待ち受けていても、生き残った人々は生きていく。
音楽やその他の芸術は、その人々の辛い心をほんのわずかな逃がしてくれたり近くに寄り添ってくれたりするものだと思うのです。
被災地での演奏、素晴らしい活動だと思います。

私の故郷は岩手の大槌町という所で、3月の震災で、映像で見る限りは町のほとんどが消えてしまいました。
私も近年親しくしていた姉の友人が一人未だ行方不明です。
多くの友人が家を失いました。
なかなか故郷を訪ねる勇気も出ませんでしたが、来年早々には訪ねようと思っています。
  1. 2011/10/18(火) 08:19:52 |
  2. URL |
  3. ぴょんこ #OpjuNI0.
  4. [ 編集]

ぴょんこさん。
絶対に行ってください。それも複数回訪ねてみてください、時期をずらして。
出来る限り早く行った方がいい。
  1. 2011/10/18(火) 20:41:14 |
  2. URL |
  3. mako. #-
  4. [ 編集]

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